私は何も知らない

私はどこからやってきたのか

私はどこへ行くのか

私がなぜ生まれてきたのか

 

私のかすかな古い記憶

黒い大木があった

黒い木漏れ日の中に私は佇んでいた

黒い太陽の光が私を薄く包んでいた

 

私はただひとつ知っている

私の中で育ち

私から生まれた

私の娘

この者は私に仇なすもの

この者は私を脅かすもの

娘はやがて母親にとってかわる

母親はその命と意義を失う

 

許せない

どうしても許せない

娘の存在そのものが許せない

 

私に絶対の自由を認めよ

私は私のためだけに生きる

私は私のものであり娘のものではない

私の生は娘の生を拒否する

 

そして私の物語が始まる

私は神である

私は憤怒と汚辱の子である

私は立ち上がり

私は生きる

この世界に復讐するためである

 

（続く）