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第14話

デッドリー・フラッシュ

 

デッドリー・フラッシュ死の光事件は、二〇〇三年十二月に発生した無差別殺人である。

犯人はネットワークを介して各端末に侵入すると、人間の意識下に働きかける画像を閃光とともに表示して対象の生理機能を狂わせた。このSFめいた手口によって、被害者たちは視床下部に強い刺激を受け、嘔吐、めまい、ひきつけ、痙攣けいれん、意識障害などの症状に見舞われ、全世界で七名もの死者が発生した。

これは従来のハッキング事件と比較して明らかに異質であり、後の『冥王の口づけ』以前で人を死に至らしめた唯一のネット犯罪として記録されている。

 

捜査は難航を極めたが、やがて、信州山地の人里離れた山小屋で隠遁者いんとんしゃのような生活を送る無職者がウィルスを作成した犯人であると確定した。

彼はアメリカへ高飛びしようとして、到着先のワシントン・ダレス国際空港でFBIによって逮捕された。

その後、彼は裁判で国際法のネットワーク騒乱罪を初めて適用されて死刑判決を受けた。

現在もコロラド州にあるフローレンス刑務所で服役し、死刑執行の時を待っている。

彼の犯行動機は現在も不明である。

また、攻撃の標的をどのように定めたかも多くは語られず不明である。

 

(続く)