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第8話

パキスタン・ブレイン

 

世界初のコンピュータ・ウィルスは、一九八六年に存在が確認された「パキスタン・ブレイン」である。

某ソフト会社が不当コピーのために困窮し、やむをえず「警告テキストのみを表示するウィルス」を作成して拡散した。

このウィルスの製作者たちはなんら悪意を持っておらず、ただ必要に迫られてプログラムを組んだだけである。

しかし人の手を経るごとにこのウィルスは少しずつ凶悪化し、最終的にはデータを完全破壊する存在へと進化してしまい、世界中で猛威を振るった。

製作者の会社は、現在も存続しているという。

 

(続く)