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第10話

ヤンキー・ドゥードル

 

一九九一年に確認された「ヤンキー・ドゥードゥル」は「愉快犯」タイプのハッカーが作り出した典型的なコンピュータ・ウィルスである。

 

このウィルスに関しては以下のようなエピソードがある。

アンチウィルスソフトのセールスマンが某パソコン・ショップで営業したところ、当時はまだウィルスの認知度が低いため、担当者に鼻であしらわれてしまった(「機械に薬だって? じゃあマスクも買ってやらなきゃな! HAHAHA!」)。

ところが午後五時になった途端、そこのパソコンがいっせいにアルプス一万尺を奏で始めた。

疑問に思ったセールスマンが確認したところ、担当者は肩をすくめて答えた。

「なぜかわからないけど、最近、五時になるとこの曲が流れるんだよねえ」

「これがコンピュータ・ウィルスですよ!」

調べてみると、店内のパソコン全てが「ヤンキー・ドゥードゥル」に感染していることが明らかになった。

契約は成立した。

 

(続く)