【インターンシップ接触編1期生】プロのすすめ

こんにちは!
インターンシップ~接触編~1期生、プログラマー志望の安藤琢磨です。
ブログをご覧いただき誠にありがとうございます!

今回で私のブログは最後になりますので、この2ヶ月間でどの様に制作を行ってきたかを振り返り、
その中で一番思い出が深い、ボスの制作について詳しく話して行きたいと思います。

ボス担当は急にやってきた


後4日でβ版(調整が終わった段階のゲーム)の提出という段階で、驚愕の事実が判明しました。

「まだボスができていない!」
「しかし担当者は別の作業で手が回らない!」

担当者各人のスケジュールの立て方の甘さが、全体に影響する例を自分達で体験しました。
自分だけが上手く進んでいれば良いという考えで作業を進めると、こういうことに陥ります。

これを機に、全体のスケジュールを抜本的に見直し、
「担当者が担当された分だけ作業する」方式から
「できる人間がやる」という方式に切り替えることになりました。

そして同じ轍は踏まないように、
一人ひとりが他の人の作業も把握するように心掛けました。

再度担当を割り振った結果、ボス戦は私が担当することになりました。

時間を理由に妥協をしない

やるからには「時間がなかった」「元々私の担当ではなかった」などの言い訳は
通用しないのがプロの世界です。
プロの現場で作業をする以上、インターン生の私達にも例外なく適用されます。

改めてボスの仕様を確認し、浮き彫りになったのが、
弱点を叩くだけの“単調な戦闘”でした。

「時間がないので妥協してつくる」という考えも一瞬思い浮かびましたが、
「面白いゲームをつくる」という、
最初に決めた自分の目標に反するので、
残り4日間のうち貴重な1日をボス仕様の見直しに割り当てました。

そして、4日間という限られた期間内で、
自分達が出来るギリギリの仕様変更を皆と話し合った結果、下記の内容となりました。

【 変更前】  目が弱点で、通常は宙に浮いて攻撃が届かない場所にいるボスの
   ▼    手に乗ってボスの目に当ててダメージを与えて倒す。
   ▼
   ▼
【変更後】  ボス以外の敵を降らし、その敵を飛ばして目に当てることでダメージを与える。
         一定量攻撃を当てたら、直接攻撃のできる場所までボスが降りてきて、
         そのボスを叩いてダメージを与える

素材は既に出来上がっているので、残り3日間でプログラミングします。

実際のボス制作

作業項目は大まかに3つです。

  ・ボスに飛ばす用の敵のプログラミング
  ・ボス本体のプログラミング(演出込)
  ・ボスの各パーツのプログラミング

短期間で制作するに当たって気をつけたのは
作業密度を上げることです。

そこで実践したのが、より細かな物量出しです。

ゲーム制作をするに当たって、大まかな物量出しを、社員の方の指導の下行いました。

今回は以下の内容を、毎朝の作業確認に取り入れました。

  ・ゴールを見据えて必要な項目をひたすら箇条書きにする。
  ・箇条書きにした項目に優先順位を付ける
  ・つけた優先順位から実装可能でより効果の大きいものから制作する。

これらを作業開始前の早朝5分で毎日行いました。

毎日行った理由は、プログラムする上で優先順位が変わったり、
作る必要のない項目が出てきたりするからです。

一例を挙げると、はじめは右手と左手を別々の項目にしていましたが、
”叩きつける” “浮いて移動する” などの動作が似ているという理由で右手と左手を統合しました。

その結果、作業短縮に繋がりました。

的確に実装する機能を把握することで考える時間の無駄を短縮し、
その結果プログラミング時間は大幅に削減できました。

そして、以下が実際の作業内容です。

■1日目 ボス仕様の決定
■2日目 プログラミング
 ・カメラワーク演出
 ・可動パーツの制作と調整 アーティストから上がった素材がどの様に可動するのか把握し実際に動くようにプログラムします。

■3日目 プログラミング
 ・ボスに飛ばす用の敵の制作
ボスに飛ばす敵は、天井から現れ、ボスの攻撃タイミングに合わせて落ちてきます。
タイミング制御はボス本体に任せ、落ちる処理や落ちた後の思考行動などをプログラムします。

■4日目 プログラミング β版提出
 ・ゲームルールの実装
今回のボスの弱点は目です。
目に、敵を飛ばして当て、地面に落します。
そして、落ちたボスを直接攻撃で 叩きボスのHPを減らす、という
一連の流れをプログラミングしました。

手戻りが発生することなく、スムーズに行えました。

毎朝の作業計画の物量出しの効果だと思います。

1日でも手戻りが発生したらβ版まで間に合いませんでした。

実際のボスの戦闘シーンです。

様々な方からアドバイスをいただける強み


今回、ゲームを制作されているスタッフの方はもちろん、
ゲームデバッグを専門にやっていらっしゃる方からも意見をいただきました。

すぐに見ていただけるという環境は、短期間でのボス制作には非常に有用で、
いつもプレイしている自分達では気づけないことを教えていただけます。

この日は、ボス戦において攻撃を弱点に当てた時が分かり辛いと指摘をいただきました。

アーティスト・ゲームデザイナー・ゲームプログラマー・デバッガーなど、
様々な職種の方にアドバイスをいただき、
多方面からゲームに対する考え方を学ぶことができました

総括

今回のインターンシップに応募した動機の一つに
「自分が一人で制作したプログラム(ゲーム)をプロの方に見てもらい、
その感想を頂きたい」ということがありました。

実際にインターンシップが始まり、様々な職種の社員の方にゲームを見ていただきました。

正直、自分から積極的に社員の方にアピールできていなかったのですが、
ご厚意で様々な方に見ていただき、アドバイスをいただくことができました。

社員の方々の優しさに頭が下がる一方、もう少し自分の人間力を高めなくてはいけないと反省する日々でした。

プロとして仕事をするうえで、
技術だけでは立ち行かないことが数多くあります。

特に、今回のインターンシップ接触編に関しては、
プロになるための意気込みや考え方、社会人としてのマナーなど、
人間力に特化したインターンシップであったと思います。

今回のインターンシップで学んだことを生かし、
いつかプロのゲームプログラマーとしてゲーム制作に携われたらと思います。

私のブログは以上で最後になります。

今回のインタターンシップを総括する意味で、
ゲームデザイナーの真鍋さんが最後のブログで語ってくれますのでお楽しみを!

プログラマー志望の安藤でした。
ご覧いただき誠にありがとうございました。