【東京スタジオインターンシップ2期生】3Dとアーティストとしてのプログラム知識
こんにちは。アーティスト志望の吉川です。
おひさしぶりです。
ゲーム制作もいよいよ終わりに近くなり、
ラストスパートで制作・調整・バグ対応に追われる日々です。
前回のブログではまだ主人公のモデリングをしている段階でしたが、
あれから3週間たって作業もかなり進みましたので、今回は3D作業全体についてお話します。
3D作業の流れ
私は、主人公と敵キャラクターの3Dデータを作る作業を主に担当しています。
作業の流れとしては下記のようになります。
① キャラクターのモデリング(形を3Dで作る)
② ①で作ったモデルにボーン(アニメーションをつけるのに必要)を入れる
③ UV(モデルの展開図)
④ アニメーションをつける
⑤ テクスチャ(モデルに張り付ける絵や模様)を描いてつける
プロジェクトによって順番が前後するものもあるとは思いますが、
プログラマーと連携・調整が必要なもの(アニメーション)は優先的に行い、
後でも差し替えられるもの(テクスチャ)は後ろの順番になっています。
今は④と⑤を詰めている段階です。
とりあえず一通り作った状態でプログラマーにデータを渡し、
実際のゲーム画面で表示されることを確認してからクオリティを上げていきます。
▲完成したモデルとボーン。ボーンだけ見るとシュール。
▲制作中のテクスチャ。
▲走るアニメーション。キャラクター性がまだ薄い?
▲毒の鱗粉をぱたぱたしてきます。
アニメーションについては
「もっと上下左右に揺れたり、ためが強いコミカルでカートゥーンな動きした方が良い」と
社員の方からご指摘をいただきました。
その際、実際に動いてみせてくれました。
その動きがいかにもピクサーやディズニー的な動きで、
大人なのにまるで何かのキャラクターのように見えました。
「こうやって実際に動いてみるといいよ」と軽く言われましたが、
私がその動きをするにはきっと演技の修行が必要です。
プロの方は普通にアニメを見ても、きっと見ているところが違うのだと思いました。
最近は、私も駅や電車の中で性別や年齢の違いを気にしながら人の動きを眺めるようにしています。
アニメやゲームなどの映像を見る時も、アニメーションやカメラワークが気になるようになりました。
3Dデータの受け渡し
次に、3Dデータの受け渡しについてお話します。
3dsMaxで作ったデータは、Xファイルという形式で書き出してプログラマーに渡しています。
ですが、このデータの受け渡しで度々障害が発生するので苦労しています。
ゲーム画面で表示してみると、作ったとおりになかなか表示してくれないのです。
動かなかったり、動いてもカクカクしたり、ポリゴンが余所へ吹っ飛んでいたり、テクスチャが表示されなかったり…。
▲羽が片方ない。透けるところが透けてない。
これらの症状の原因はXファイルの機能の制限のようです。
この機能は使えない、これは使えるけどこうなる、など細かい仕様がたくさんあります。
実際に作ってみて表示できなかったら原因を探してデータを修正する、ということをしていたので、
Xファイルの制限や仕様を調べるのにかなりの時間を使ってしまいました。
障害は制限を調べてなんとか解消してきましたが、
プログラムの基本的な描画の仕組みを理解しておけばもっと早く結論にたどり着けたと思います。
アーティストだからプログラムは全く知らないではなく、
ゲームを作るのに必要な知識はどんなことでも収集していきたいです。
そうしていくことで、表示がおかしくなってから原因を調べてやり直すのではなく、
作業に取り掛かる前に何ができて何ができないのかを少しでも知ることができると思います。
▲制限で作業のやり直し…。
今回で私のブログは最後になります。
このインターンシップに参加できて本当によかったと思います。
アーティストとしての技術はもちろん、時間の使い方や、教わるのではなく自分で調べる習慣など、
学校では学べない成長を多く得ることができました。
あと1週間でこのゲームは完成しますが、今後もこの業界で上の技術を目指していきたいです。