【東京スタジオインターンシップ2期生】アイデアからコンセプトアートまで

Hi, Everyone!
This is Rianti, 2nd term intern as an artist at Cyberconnects 2.
I came from Indonesia and currently continuing my study at Tokyo University of Technology.

こんにちは、
東京スタジオインターンシップ第2期生、アーティスト志望のヒダヤト・リアンティです。
インドネシアから参りました。現在東京工科大学大学院で勉強しています。

既に他のメンバーのブログでも書かれていますが、
今回の東京スタジオインターンシップでは、
私の企画を元にゲームを制作することになりました。

制作の話に入る前に、この企画のアイデアについて少し話したいと思います。
私はアーティストとして、ユニークな、あまり見ないビジュアルを持つゲームをつくりたいと思っていました。

しかし、「ユニーク」の言葉はいろいろな見方があってあいまいです。
そこで、このインターンシップでは、ゲーム自体も今までと違うユニークなものにしようと考えました。
そうすることで、ビジュアル面でも「ユニーク」さがつくれると考えたからです。

アイデアの発展

 
様々なサイドスクロールのゲームビジュアルを見ると、
主人公の前や後ろにあるものはほとんどが飾りであって、
ゲームプレイに対して、直接影響が少ないように思います。

しかし一方、「写真」で考えてみると、
フォーカスの前にあるものがフレームの役割を果たすことで、画面に深さを感じます。
そこでこの二つを組み合わせてみようと考え、このゲームのアイデアが生まれました。


▲アイデアの最初の状態や提出状態

このアイデアに対して、チームメンバーからは
「遊びの幅が広がる」「新しい」「分かりやすい」という評価をいただきました。

しかし、元のアイデアはあいまいで、
色々なゲームプレイに関する部分までは具体的に考えられていませんでした。

ビジュアルは面白そうかもしれませんが、
ゲームプレイを決めるのは大変難しく、遊び方の根幹がまだ見えていませんでした。
そのためこの2週間でたくさんミーティングをしています。

次に、私が実践している、
ゲームビジュアルに関するアイデアの探し方について話したいと思います。

アイデアを出す方法はいろいろあると思いますが、私は寸描に注目します。
プロの意見によるとコンピュータで絵を描くときと違って、寸描は全体のバランスが簡単に見えるからです。
インターンシップが始まって2週間の間に、このゲーム制作のために40ページの寸描を描きました。

面白いことに、その40ページのあいまいな寸描をチームのメンバーに見せると、
意図したものと違うイメージを想像していたりして、ほかのアイデアになることもあります。

また、絵を描くときの環境も大事だと思います。
私にとって、カフェでアイスカフェラテを飲みながらスケッチをするのが一番良い環境です。

そして、他の人とディスカッションをすることも大事です。

例えば、先週、休憩時間に吉川さんと小川さんと1つのホワイトボードで一緒に絵を描いたおかげで、
タイトルのアイデアや普通の会議では考えられないアイデアを出すことができました。

軽い話題でも、積極的に話をすることで、そこから良いアイデアが生まれることもあります。

ゲームの設定・ビジュアルガイド

 
アイデアを決めたあとは、面白い設定をつくらなければなりません。
最近はファンタジーがメインテーマのゲームが多いので、他のテーマにしようと思いました。

色々なアイデアの中から決められた設定のキーワードは
「心理学」「ヨーロッパ」「不思議」です。

主人公は精神科医師であり、心の中に入れるメガネを発明した彼は、
今日も患者の心に潜って治療をします。
ステージは患者の「心の中」です。

この設定を元にして、ビジュアルガイドを下記のように作成しました。

■スタイル:

デフォルメ(英語:Stylized, Wonky)で、尖った線が多く、曲線は少なくしました。
なぜかというと、多くのオブジェクトが黒色のフレーム(シルエット)になるので、
尖った形のほうが面白いビジュアルができると思ったからです。

 

■カラー:

特徴を作るため、緑色の少ない(あっても薄い)グラフィックをメインにしました。
映画”アバター”内の言語を作った言語学者によると「新しい言葉を作るときは特徴を作らなければいけない。
特徴を作るには、どんな発音が出来るかではなく、どんな発音が出来ないかが大事」なのだそうです。

この考えを元にして、このゲームのビジュアルコンセプトに応用してみたいと思いました。
それが、緑色がない(薄い)ということです。
どんなゲーム画面になるかがまだわかりませんが、
目立つビジュアルを作るためにチャレンジしたいと思います。

   
 
■UI:

ゲームの画面により変わるかもしれませんが、プレーヤーに分かりやすくするために、
UIはなるべくシンプルにしたいと考えています。
ポップアートという美術スタイルを参考にする予定です。

 
私たちのチームにはアーティストが3名いるので、
同じビジョンを共有するために様々な参考画像を集め、それを貼ってイメージボードを作りました。

私達のゲームアイデアに合う新しい画像を、チームメンバーはこのボードに随時貼っていっています。

▲参考画像

現在のコンセプトアート

 
コンセプトアートはゲーム制作のビジュアルガイドでもあり、
また、チームメンバーのやる気を高めるためのものでもあるので、たくさん作りたいと思っています。
様々な参考画像やアートブックを見ることで、アーティストスキルやのビジョンも広がると思います。

▲主人公デザイン1

▲主人公デザイン2

▲画面のサンプル

私たちのチームにはゲームデザイナー志望の方がいないので、
プログラマー志望の小川さん、水谷さん、井上さん、
アーティスト志望の井ノ口さんの4名がゲームデザインを担当しています。

そのゲームデザインチームが作ったギミックを元にして、私たちアーティストは敵やステージの雰囲気を作ります。

▲ギミックベースボスステージのコンセプトアート

当初は、設定メインでギミックを作ろうとしていましたが、
ゲームの面白さのほうがより重要なので、
ギミックをメインにして進めたほうがいいという判断になりました。

面白いゲームを制作するのは大変ですが、チームと一緒に頑張りたいと思います。