【インターンシップ発動編1期生】ゲーム紹介!『Licky』
こんにちは。アーティスト志望の伊藤裕子です。
インターンシップ~発動編~がはじまってから早3週間が経過し、
α版の完成締め切りも明日に迫りました。
今回は、α版の完成を目前に、私たちの制作しているゲーム『Licky』が
どんなゲームなのかを紹介したいと思います。
また、後半では私の担当しているモーションについてもお伝えしたいと思います。
※α版とは
サイバーコネクトツーで『α版』というのは、どのように遊んでいただくゲームなのか、
どのような面白みがあるゲームなのかが分かるところまで制作したゲームのことを指します。
(前々回の谷口さんのブログより)
南国の島のトカゲたち『Licky』
『Licky』
-南国の島に住む、お調子者のトカゲの一族リッキーたちには、
木の実が降りそそぐ時期におきるスポーツがあった-
私たちが制作しているゲーム『Licky』は、2人以上の対戦ゲームです。
プレイヤーキャラクターであるリッキーのしっぽを振り回し、
木からステージ上へ次々に降りそそぐ木の実をはじき飛ばして、
自分のゴールにひたすら入れるという簡単なゲームです。
相手よりもたくさんの木の実をゴールへ入れることで勝利することができます。
ルールはとてもシンプルですが、しっぽやボールを相手にぶつけてはじき飛ばしたり、
木の実をゴールに入れるだけではない楽しみ方ができるので、
ゲームのプレイ中に思わず声に出して笑ったり悔しがったりと、白熱できること間違いなしです!
α版完成を目前に:モーション制作
私が前回ブログを書いてから、今までの2週間の間、
キャラクターのモーション(動きを付けること)を制作していました。
α版では、各モーションのクオリティを上げていく前に、ゲーム全体の雰囲気が分かるように、
キャラクターの動きが一通り分かる仮モーションを全て制作し、プログラマーさんに渡します。
実際にゲームにキャラクターモデルを実装してからは、さまざまな問題がでてきます。
モーション一つ取っても、今にも戦い出しそうなキャラクターの動きが、
南国をイメージしたステージと合っていなかったり、
ゲームの画面に対してキャラクターの動きが小さく見にくい、といった問題が起きます。
それらを改善するために、キャラクターのモーションをリズミカルで軽い動きにして、
ステージとイメージを合わせたり、キャラクターのモーションを大振りにする、
といったモーションの修正を繰り返します。
キャラクターモデル自体も、キャラクターモデルのシルエットが全体的に細いため、
小さく見えるといった問題が起き、改善するために等身のバランスを変化させるなどの
変更が加えられます。
そこでも、変更されたキャラクターに合わせてモーションの修正を行い、
より良いモーションを追及しています。
▲3dsMAX上で表示した仮モデル
モーションってどうやってつくっているの?
ところで、皆さんはモーションがどのように作られているのかご存知でしょうか?
サイバーコネクトツーでは、3dsMAXという3DCGを制作するツールを使用して
キャラクターモデルやモーションなどの制作を行います。
インターンシップ~発動編~の私たちアーティストも同様に、この3dsMAXを使用して制作をしています。
ゲームのキャラクターであるリッキーは、
3dsMAXにある「biped(バイペッド)」という機能を使いアニメーションさせています。
bipedは人の形をした関節人形のようなもので、人の関節と同じように体を動かすことができます。
また、形を変形させることができるので、キャラクターモデルに合わせた体形をつくることも可能です。
キャラクターの体形に合わせたbipedができたところで、
キャラクターモデルに「スキン」をかけます。
スキンをかけた状態とは、簡単に言えば人が着ぐるみを着た状態のことです。
キャラクターモデルが着ぐるみ、bipedが中に入っている人だと考えてみてください。
そうすることで、ようやく制作したキャラクターモデルを動かすことができるようになります。
キャラクター“らしさ”とモーション制作の基本
さて、実際の制作では、待機、走り、アタック、ダウン、勝利という五つのモーションを、
そのキャラクターがどんな動きをするのか考えながらつくっていきます。
リッキーの場合は、3DCGモデル担当の谷口さんが描いたデザイン画からアーティスト同士で話し合い、
「お調子者でひょうきん、でも格好つけ」という楽しげなキャラクターの設定を共有し、
そのイメージを持ちながらモーションをつくります。
また、キャラクターの動きがゲームのイメージにもつながるので、
活き活きとした、楽しいと感じられる動きになるように意識しています。
▲谷口さんの描いたキャラクターのラフデザイン
そうしてつくったモーションを指導担当の方に見ていただき、さまざまなアドバイスを頂きます。
その一部を紹介したいと思います。
自分で動いてみる。
自分で動くことで、思い込みでつくる事を避けたり、実際に動くことができるのか、
どのように重心が移動しているのかを確かめます。重心の移動に注意する
歩くときは、踏み出した足が地面につく瞬間に重心が移動するので体がぶれます。
こういった人間の当たり前の動きと重心の移動をきちんと理解し、前後左右、
どこから見ても重心がおかしくなっていないかなどを確認します。振り遅れをつける
振り子のイメージです。はしっている時など足先の方が遅れてついてきます。
ボディラインを一直線にしない
棒立ちのような単調なポーズにならないように、
腰の回転を加え角度を変えるだけでもシルエットが違って見えます。カメラの方向を意識する
ゲームの画面の角度によっては横方向からキャラクター見たり、上の方向から見ることもあります。
ですので、ゲームではキャラクターをどこから見るのか、画面を意識してかっこいいシルエットを探します。
指導担当の方が実際に動いて「こうなるよね」と教えてくださることも多々あり、
たくさんのアドバイスを頂いて、モーションを修正していきます。
上記で紹介したことはどれも基本的な事ではありますが、できていなかったり、
意識していないと忘れがちになっていることでした。
さて、こうして作っては修正を繰り返してモーションを制作している毎日なのですが、
インターンシップに来て以来、社員の方にいつでもアドバイスを頂くことができることは
とても驚きました。
いつも的確な指摘を頂くことができ「なるほど!」と気づかされることばかりで、
話の節々から、プロの考え方や制作工程など、
モーションについても多くのことを学ぶことができるのでとても勉強になります。
最後に
今回は、私たちが制作しているゲーム『Licky』とモーションについて紹介しましたが、
少しでも興味を持っていただくことができたでしょうか。
α版が完成したら、いよいよインターンシップ~発動編~も中盤に差し掛かります。
皆で協力して制作していくことで、今後背景モデルなどのグラフィック面や
モーションがゲームへ反映されていきます。
遊びやすく楽しいゲームへと進化させられるように全力で取り組みたいと思います。
ではまた次回お会いしましょう。