皆さん、こんにちは。
サイバーコネクトツーのアーティスト、御厨です。
今回、「NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストームジェネレーション」では
デモチームとして奥義周りの調整を担当していましたが、
それ以外にもオープニングデモの絵コンテなども担当しましたので、
そのことについて書こうと思います。
絵コンテに関しては以前の記事で竹下からも説明していますが、
映像の設計図にあたるものです。
文字主体の文面からイメージし、絵にしていくところが面白くもあり、難しいところです。
どういうカット割り、構図、芝居、カメラワークにすれば、
こちらが意図したものをより良く見せることができるかを考えながら書いていきます。
また、絵コンテは映像の設計図ということもあり、実際シーン制作を担当するアニメーターや関わる全てのスタッフに最終的な
映像のイメージを示す大事な作業だと思っています。
さて、実際のコンテを見てみましょう。
今回コンテを書くにあたってテーマにしたのは
「新旧のキャラクターの対決を見せる」
「カット数は10カット以内」ということでしたので、
それを念頭に絵コンテを進めました。
本作のオープニングの絵コンテ
新旧のキャラクター、つまり少年篇のキャラクターと疾風伝の
成長したキャラクターとの闘いです。
当然成長したキャラクター達には余裕があるはずだと思いますので、
オープニング前半でのナルト同士の睨みあいでは、余裕の疾風伝のナルトに
臆さず挑む少年篇のナルトという構図にしました。
ところでコンテ中に見慣れない用語があるのはお気づきてしょうか?
「PAN」とか「T・B」とか「ホワイトアウト」などといったものです。
これはカメラをこういう風に動かしてほしいという指示、
もしくは撮影指示を表した用語です。
意味としては
・PAN=カメラの位置は動かさずに、レンズの向いている方向を動かすこと。
・T・B=カメラ自体を被写体から遠ざける。
・ホワイトアウト=だんだんと白い画面に置き換わっていくこと。
そしてオープニング内でのそれぞれのカメラワークには、
簡単ではありますが意図があります。
カット2と3にそれぞれPAN指示が意図しているものは、疾風伝のナルトの
視線の先に少年篇のナルトがいるという視線の方向性を強調しています。
また、同カットのQ・TB(TBよりカメラの移動速度が瞬間的に早い)には
後ろに控えているキャラクター達を見えない状態から一気に画面にいれることで、
「後ろに大勢いた!」という驚きと迫力を強調しています。
このように普段皆さんが何気なく見ている映像の中にも
色々な意図が存在しています。
今回のオープニングでは映像の尺の長さとしては短く、構成もシンプルですが、
このオープニングの映像を見て「さぁ!これからジェネレーションをやるぞ!」
というプレイヤーの皆さんの
テンションを盛り上げる一つの要因になってくれれば幸いです。