今作『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム3』のアドベンチャーモードで特に目を引くものの一つは、迫力満点の巨大ボスバトルです!
皆様もう遊んでいただけましたでしょうか?

今回はボスの巨大感を演出するためにこだわった点や工夫した点などの制作過程をご紹介いたします。

ただモーションを作るだけでは巨大感を演出することはできない!
 ⇒巨大に見えるように様々な工夫をする必要がある。

①巨大感を出すためには?

対象物と観測者の距離によって感じる速度の違いを表現する

例)同じ速度の球を異なった距離から観察した時に感じる速度の違い
■赤い玉:半径50cm 視点から4000cm離れた距離 高さ4cmからの落下
 (観測地点からの距離が近い
■青い玉:半径100cm 視点から8000cm離れた距離 高さ300cmからの落下
 (観測地点からの距離が遠い


上記条件で同じ速度の2つの球を観察した場合、観察地点からはどのように見えるでしょうか。


比較動画を見ると、観測地点から距離が遠い青い玉はゆっくりと落下し、観測地点から距離が近い赤い玉の方が速く落下しているように見えます。

例えば、私たちが飛行機を目にする時、離れた地点から飛行機を見るとゆっくり動いているように見えますが、実際はすごく速いスピードで動いています。
つまり同じスピードで動いていても、観測者からの距離が遠ければ遠い程ゆっくり動いているように見える!ということです。

このように巨大感を表現するために重要なことのひとつは、「対象物との距離によるゆっくりとした動き」を意識して表現することです。

さらに巨大感を出すためには?

ゆっくりとした動きだけを作れば巨大に見えるか?というとそうではありません。
それだけでは普段の動きをただスローにしたようにしか見えません。
 ⇒巨大感を出すためにはさらに工夫が必要!

<ポイント①>
比較対象物を画面内に置いてボスの巨大さを強調する

■比較対象物を巨大ボスが踏みつぶすなどの演出を入れる
■巨大ボスをあおりで撮影し画面内に比較対象物を含むレイアウトにする
  例)ビル群の中に巨大なものが立つことでより巨大さが強調される
■巨大ボスが倒れる時は何かを壊しながら倒れる

<ポイント②>
巨大ボスとの距離感を感じさせる(距離による見た目のスピードをゆっくりにする)

■巨大ボスの周辺にある建物が崩れる際や大きな破片等が飛び散る際は、ゆっくりとした動きにする

<ポイント③>
細かい調整を入れてリアリティを出す

■巨大なものが動く際の細かい揺れを表現する(カメラの上下揺れや左右揺れ)
■ロール揺れ(回転揺れ)を表現する(実際にその場に立っている、もしくは撮影しているように感じさせるために上下左右以外の回転揺れも表現する)
■手ぶれを表現することで実際に自分が現場にいて撮影しているような緊迫感を出す
■アイレベル(撮影するカメラの高さ)は基本的に人の目の高さに合わせる。(普段生活する目の高さが一番身近に感じる為)
■巨大なものをアップでとらえる場合は望遠レンズで映す (巨大なものを実生活で大きく見ようとする場合、カメラ、もしくは双眼鏡で望遠を使って見る為)

◆望遠とは?
レンズの角度(画角)を狭めて、対象物との焦点距離を長くとらえた状態で対象をとらえること。遠くのものを大きくはっきり見ることができる。

<ポイント④>
巨大感を意識した動きをつける

■全体的にゆっくりとした動き(常に重たいものを持って動くイメージ)
■巨大なものが倒れる時もゆっくりとした動きにする (前述した通り、巨大なものを離れた地点から見るとゆっくり動いているように見える。巨大なものを速く動かすと、近くで見た場合は現実ではありえないスピードで動いている事になる為)
■動きの速さの緩急をしっかりつける

上記動画は下記の3つのモーションを比較したものです。

A.汎用のやられモーション
B.動画Aの尺を2.8倍にしたもの
C.動画Bに緩急をしっかりつけたもの(※動画Bと尺数は同じ)

「A」「B」「C」の動画をそれぞれ比較すると、「C」がもっとも巨大感が表現されています。
「B」と「C」は同じフレーム数にもかかわらず、「B」は「A」をスローにしたようにしか見えません。
巨大感を演出するためには動きを「ゆっくり」にするだけでなく動きの「緩急」を加える必要があります。

上記であげたポイントを踏まえて、巨大ボスバトルに必要なモーションや演出を制作していきます。

例えば、「ストーム3」のアドベンチャーモード第七章のボスバトル「チョウジvs外道魔像」戦。
超倍化の術で巨大化したチョウジとさらに巨大な外道魔像が繰り広げる巨大バトルですが、チョウジや外道魔像の動きも、巨大なものが動いているように見せるために、シンプルで重みのある打撃を意識して制作しています。(上記のポイント④を意識して制作しています)

下記はチョウジの通常のフリーバトル時のモーションと、巨大ボスバトル時の動画を比較したものです。
巨大ボスバトル時の方が、通常時よりも動きがゆっくりで重い一撃になるように意識してモーションを制作しています。


さらに、カメラを私たちの目線で撮影しているように調整したり、チョウジたちの移動時や攻撃がヒットした時はカメラを小刻みに揺らしてリアリティや臨場感を表現するなど、前述した「巨大感を演出する工夫」をいたるところに取り入れています。

また、ヒット時や地面にたたきつけられる時のエフェクトも、通常のフリーバトル時のエフェクトよりもゆっくり動いており、巨大感への工夫が多数なされて制作されていることが良く分かると思います。


上記動画のバトルシーンは、ポイント①が取り入れられています。
演出時にバトルステージに立っている忍連合軍とチョウジたちのサイズを比較すると、巨大感がより一層際立ちますね。

このように巨大感を演出するために多くの工夫をとりいれて制作しています。
細かい所にもこだわり抜いた制作がなされているので、是非細部まで注目して巨大ボスバトルを楽しんでください!



■ティザー



■第二弾



■第三弾


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