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クリエイターとして1歩抜けだすためのシンプルなセオリー『超十則』

   

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『熱狂する現場の作り方 サイバーコネクトツー流 ゲームクリエイター超十則』(星海社)の著者であり、ゲーム制作会社サイバーコネクトツー(当社)の代表でもある松山洋(まつやま ひろし)は、ゲーム業界での20年の経験を振り返り、ゲームクリエイターとして活躍するために必要な条件を下記の「超十則」に記している。

サイバーコネクトツー流 ゲームクリエイター超十則

  1. “あいさつ”こそが『最重要』『最優先』『最第一』。
  2. 男に“体調不良”は無い。休むな。闘え。
  3. くだらない愚痴を言うな。便所の落書きが世界を変えることはない。
  4. ネタバレを怖がるな。だったらすぐ観ろ。
  5. 自分たちが“子供たちの夢”であることを自覚しろ。
  6. 開発者は商品にとっての最後の砦だ。こだわれ。
  7. がむしゃらに頑張るな。勝算と戦略を持て。
  8. 努力に勝る天才なし。
  9. ゲーム開発はコミュニケーション。
  10. これら十則を信じるな。疑え。常に改善、忍耐、努力、根性、信念、必勝。

今回は、本書の中から著者の言葉を抜粋しつつ、客観的にこれらを読み解いていく。

解説:ゲームクリエイター超十則

1.“あいさつ”こそが『最重要』『最優先』『最第一』。

どんなに、優秀な技術を持っていても、能力が高くても〝あいさつ〞ひとつまともにできないやつは人間のクズだ
(122ページより)

基本的な事だと思われるが、意外なことにクリエイターの多くが、まともにあいさつができていないそうだ。「クリエイターだから……」と、なあなあにせず、当たり前のことを当たり前に行うことで、簡単に周囲と差別化でき信頼や評価を勝ち得ることができる。

また、クリエイティブな活動には他者とのコミュニケーションが不可欠だ。その最たる例である「あいさつ」を疎かにしてはいけないというわけだ。

2.男に“体調不良”は無い。休むな。闘え。

だって、〝好きなこと〞やってるんですよ?好きで選んだ自分の道、なんですよ。この道。
(55ページより)

「趣味は仕事」と断言する著者。もちろん、仕事は大変で、うまくいく事ばかりではない。トラブルに見舞われたり、苦しい場面も多くある。だが、それ以上に遥かに楽しい瞬間のほうが多い。なぜなら、好きこのんでその業界を選んだからだ。

「休むな。闘え。」という言葉には、そうやって“自分で選んだ好きなこと”を常に意識し続けろ、というメッセージが含まれている。

3.くだらない愚痴を言うな。便所の落書きが世界を変えることはない。

我々はゲームクリエイター。子供たちの〝夢〞なんだ。それが個人のアカウントであれ、なんであれ。批判や愚痴や悪口を絶対に口にしてはならない。
(49ページより)

自らつくった作品を通して、ユーザーを感動させ何かを刻みたいのであれば、それは作品に留まらず、日常生活においても常に意識すべきなのだろう。

ヒーローが決して弱音を吐かないように、クリエイターがSNSなどで不満を漏らしたり、格好悪い姿を見せるのは「恥ずかしい」という考え方だ。

4.ネタバレを怖がるな。だったらすぐ観ろ。

好きな作品はどんなに調整してでも観に行くよね。好きなんだから。レイトショーだって仕事が終わってから観れるよね。それくらいのスケジュール調整もできない程度の好きは好きじゃないねえ
(22ページより)

世の中には「ネタバレ」されることを極端に嫌がる方もいるが、著者いわくそれは「観ていないのが悪い」という。

本当にその作品が好きであれば、だれよりも先に触れるはずである。それができないのであれば、“好き”のレベルは低く、配慮するほどのものではないということだ。

ましてや、ものづくりの最前線に立つクリエイターにとって、「観ていない・知らない」は罪である、という考え。

5.自分たちが“子供たちの夢”であることを自覚しろ。

我々はゲームクリエイターです。夢をカタチにする仕事をしているのです。我々が一番この業界に夢を見ていなければならないのです。
(25ページより)

子供たち(ユーザー)にひと時でも夢を見せ、感動させたいのであれば、その作り手であるクリエイターが夢を見ずしてどうするのか。

自分の置かれた環境に絶望するのではなく、苦しいときこそ一歩先を見て、ユーザーのためにふんばるべきだという。

「夢を見れない人間とは、一緒に闘えない。業界を去るべき。」とまで語る著者の言葉には、ものづくり業界で生き残ることの厳しさと、ユーザーに夢を届けることの難しさが感じられる。

6.開発者は商品にとっての最後の砦だ。こだわれ。

先に考えるべきことは自分たちの〝都合や事情〞じゃあない。そんなことはお客様には関係が無い。
(144ページより)

予算が少ない、スケジュールが短いなど、クリエイターを取り巻く条件は様々あれど、作品を手に取るお客様には全く関係のないことである。

クリエイターが作ることを妥協してしまったときが、その作品のクオリティとなってしまう。そのため、いい作品をつくる=成功するために、できうることは何でもやるべきだということ。

それはもはや、どこまでが仕事なのか、どこまでやればいいのか保証はないだろうが、「そこまでやるのか?!」と周囲に言わしめるだけの覚悟が必要なのだろう。

7.がむしゃらに頑張るな。勝算と戦略を持て。

ただの〝頑張る〞じゃ、駄目なんだ。〝特別な頑張り方〞をしないと。でないと〝特別な勝ち方〞はできない。
(114ページより)

著者の経験において、このクリエイティブ業界では、サボっているひとはほとんどいないという。みんな同じようにがんばっているのであれば、その実力差は埋まらず、いつまでも追い抜くことはできない。

そこから抜け出して、特別な勝ち方をしたいのであれば、闇雲にもがくのではなく、他がやらないやり方で自らを鍛え続けなければならない。

8.努力に勝る天才なし。

毎日の24時間の使い方を、全てが仕事に繫がるように。全てが自分の足りない知識や情報に繫がるように。努力して努力して。工夫して工夫して。
(107ページより)

周囲との実力差を目の当たりにした著者がとった行動とは、人の2倍・3倍と努力を重ねることだった。自らに「特別な才能は無い」としたうえで、周囲に追いつき、さらに追い越すためには、自身に足りないものを理解し効率的に吸収するほかに手段はなかったという。

それが、時間の使い方の工夫であり、多くの時間を「自己錬成」と「他者からの学び」に費やしたそうだ。可能な限り人に会い、話を聞き、一緒に物を見て、考えを学び、それが終わった後にひとり鍛練に励むというわけだ。

9.ゲーム開発はコミュニケーション。

ただでさえ時間との勝負を強いられることが多いゲーム開発で、〝みんなが全員そろっている時間〞は多ければ多いほど良いのです。
(123ページより)

どのような業界であれ、仕事をするうえで他者とのコミュニケーションは必須だ。関わる人数が増えれば増えるほど、コミュニケーションのロスを生み、効率も悪くなる。

確認ひとつとっても、相手が話せる状態であればすぐ終わるが、できなければ作業の手を止めなければならない。だからこそ、著者は遅刻を嫌い、みんなが揃って仕事をすることの大切さを語る。

そうやって効率化し、ねん出した時間で、さらにクリエイティブを突き詰めるというわけだ。

10.これら十則を信じるな。疑え。常に改善、忍耐、努力、根性、信念、必勝。

きっとこれからももっと(それこそ家庭用ゲームのスピード以上に)進化して、そのスタイルもまた変化して進化しつづけていくことでしょう。
(201ページより)

著者の20年にわたるゲーム業界の経験においても、恐ろしいほどに世の中は変わり続けているという。いままさにこの時も、クリエイターたちは業界の最前線で闘い続けており、情報は常にアップデートされ続けている。

何が正しい道で、どこがゴールなのかも目まぐるしく変化する状況において、これら「十則」の枠にハマることもまた危険であるというわけだ。ゆえに、朝令暮改を恐れず世の流れに順応し、漫然と日々を過ごさないよう覚悟したい。


というわけで、比較的あたり前のことだったり精神論に近いものもあるが、「誰でもできるけど、誰もやらないことをやるだけ。」と著者の言葉にもあるように、結局のところどこまで腹を決めてやり続けられるのかが肝なのかもしれません。

本書には、著者20年の業界エピソードとともに、ゲーム制作についても語っていますので、業界を目指す方や、ちょっと気持ちが緩んでしまったときなどに手にとってみてはいかがでしょうか。

著者紹介

松山 洋 Hiroshi Matsuyama
ゲームクリエイター/経営者 1970年福岡市生まれ。九州産業大学卒業後、コンクリート会社の営業マンを経て、株式会社サイバーコネクトツー代表取締役社長。代表作に『NARUTO-ナルト- ナルティメット』シリーズ、『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』、『テイルコンチェルト』、『サイレントボマー』、『.hack』シリーズがある。「絶望禁止」を信条とするゲーム開発への過剰とも言える熱意と努力は、業界内外で一目置かれている。一方、エンタメへの強い思い入れ故の歯に衣着せぬは発言が、物議を醸すこともしばしば。趣味は「仕事」。特技は「仕事」。休みの日は「仕事」。愛称は「ぴろし」。

http://www.cc2.co.jp/20th_book/

『熱狂する現場の作り方』特設サイト

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