- アプリ内のメインストーリーをそのまま掲載しております。
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私たちが一番乗りなのかなぁ、この塔? |
そうとは限らないぞ? |
◆ ◆ ◆
カンザシと剣は、どこに納めればいいのかな~ |
神と名のつくものは、とかく高い所に祭壇を作り、祀られたがるものですわ |
はぁ……やっぱり最上階よねぇ~ |
◆ ◆ ◆
最上階は20階となっておりマス |
どっと疲れが……言わなくていいのに~! |
みなさんと合流してなかったら、この塔に入る事も難しかったんでしょうね |
本当にありがとうございます |
塔の一番上……どんなだろう…… |
そこまで言われたら、頑張らないわけにはいかないわね~! |
単純で助かる…… |
◆ ◆ ◆
はらら、頑張りすぎて疲れたのかしら…… |
大丈夫かよ、バニラ |
まさか、これ…… |
ええ、黒ネーム、かもしれませんわね |
黒ネーム……!? やっとここまで来たのに |
思ったよりも、深刻な状況かもしれませんわね…… |
以前もおっしゃっていましたね |
近くの黒ネームを倒した後、仮定でよければお話しますわ |
◆ ◆ ◆
……ゥゥウウオォォ…… |
あっ!? |
ひっ…… |
バニラは出来るだけ下がってろ |
了解、任せて! |
よし、奴らはあの黒いヤツに気を取られてるみたいだな…… |
戦いが始まったら、その隙に先に行かせてもらうぜ……ククク |
だが、なんだ……? さっきから妙に頭が、痛くなってきやがったが…… |
◆ ◆ ◆
ヴォォオアアァァ…… |
(ドシャ……)
うぅ~…… |
油断も無理も、禁物ですわ |
出来れば一度、お休みになられた方が良いのですが……休んでいただけないようですね |
当ったり前じゃないの! |
…… |
バレてない……な? |
(サッ……)
◆ ◆ ◆
バニラさんの身に起きている現象ですが…… |
ど、どんと来い、だわ! |
バニラさんの体調不良は、黒ネーム化を経験した方のみに起きている症状のようですわ |
アレルギー反応が過剰に現れるという、『アナフィラキシーショック』の様に…… |
黒ネームが近くに出現すると、過剰に体が反応してしまう、という現象ですわ |
私の知る限り、人によってその症状には差があり、重篤さも異なるようですわね…… |
それって、どういう……? |
御存知かと思いますが、かりん、すぅれんは二人とも黒ネームにされた事があります |
すぅれんには、大きな影響がまだ見られないようですが、かりんは…… |
かりんは……? |
かりんは二度目に黒ネーム化した時、両足がマヒして、車椅子の生活を送っていますわ |
!! |
そ、そんなことが本当にあるの~? |
先ほど言った通り、あくまで仮定の話ですわ |
私は納得できますよ |
そんな…… |
“The World”には都市伝説が沢山ある…… |
◆ ◆ ◆
う、うわああああああああっ!! |
!? |
上の階からか!! |
いつの間にか、先を越されていたとは…… |
しかし、かなり切迫した状況のようですが |
とにかく、急いだ方がいいんじゃないの!? |
コクッ! |
◆ ◆ ◆
いたぞ、奥だ! |
くそーっ! |
ヴルルウゥ…… |
くそっ、こんな時に、腕が……まともに動かないだと……!? くそっ!! |
ヴゥォオオ…… |
バカ! |
黒ネームも追っていったな……それに今、何か妙な事を言ってたな、腕がどうとか―― |
前に黒ネームにやられたからだとしたら…… |
あ、う、うん……じょぶじょぶ♪ |
…… |
◆ ◆ ◆
いたか!? |
いや、いないみてーだ……もっと上に―― |
わあああああああああああああああああああ |
(ドサッ……)
上の階から……だったな |
……コクリ |
……大丈夫……だいじょうぶ、なのだ…… |
(すっ……)
……だ、だいじょうぶ……だよ |
うん、ありがとね…… |
イリアが他人を気遣うなんて、初めてだ…… |
へへ、何か元気が出てきたのだ~! |
コクリ |
◆ ◆ ◆
ヴオァァアア……ア……ァ |
(ボシィッ……)
多くの人を巻き込み、企んだ結末がこれか… |
彼の「リアル」が今、どうなっているか、我々に知るすべはありませんわ…… |
なぁ……こいつを黒ネーム化したヤツの姿が見えないぜ? |
さらに上に行った、と考えるしかないな |
冗談でしょ、イリアに元気をもらったから |
あ、うん……そうなの、かな |
◆ ◆ ◆
大変な状況、というのは分かってますが、僕にとって、今日はとても素敵な日です |
イリアが僕以外の人と、こんなに仲良くなってくれるなんて…… |
いや、少し寂しいかな……なんて |
イリアも友達ができて嬉しい、けど…… |
あはは…… |
これが……天然のリア充…… |
◆ ◆ ◆
バニラさん、本当に大丈夫デスか? |
何よ、突然……気味が悪いじゃないの |
ワタクシは、皆さまの冒険の安全をお守りするのが使命デスから…… |
あー、はいはい……あんたも、ありがとね |
ニコニコ |
◆ ◆ ◆
う……頭痛、きた…… |
バニラは、俺が守るぜ! |
仕方ないな……出来るだけ守ってやるか |
コクッ |
あらやだ、モテ期が来ちゃったみたいね~ |
バカだなぁ、お前は……やれやれ |
◆ ◆ ◆
ヴルルウゥ…… |
いたぜ、さっきの黒ネームだ! |
バニラは後ろへ! |
ん……あれは……!? |
赤い……ひと……? |
(ゴオオッ!!!!)
……ハイジョ、スル…… |
!! |
(ザンッ!!)
ヴォオオオアアアアアッ…… |
(ボシィッ……)
赤いファントムが……黒ネームを、一撃で |
あれが本当のファントム、ですのね…… |
本当に噂に聞いた、三爪痕のようだ…… |
……カケラ……ハイジョ…… |
(ザッ……!)
ヤツが上に向かった!? |
……レリーフだ!! |
それは、いけませんわ! |
コクッ!! |
◆ ◆ ◆
……カ、ケラ…… |
相変わらず、しぶといヤツ…… |
だが、もう一息だぜ! |
(ゴオオウッ!!)
!? |
カケラ……ハイジョ……スル! |
新手ですか!? ……だが……何だ? |
まるで、死臭の漂うような…… |
クッ……こいつが邪魔をして奥に行けない! |
レリーフのかけらが破壊される! |
……イリア……? |
あそこ! |
レ、レリーフのかけらを……守る……の? |
!! |
ダメだ! |
わ、わたしが……やらなきゃ…… |
(スッ……)
……カケ、ラ…… |
(ズルッ……)
いけない! |
ダメよ、イリア!! |
イリア!! |
(ダッ!)
!! |
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
大広間
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ォオオオオオオオオオオッ!! |
!! |
まだ動けるのか! |
イリア、レリーフから離れて! |
……えっ |
(パシッ!)
大丈夫かい、イリア? |
……お兄ちゃんの……手が…… |
あ、はは…… |
(ドクン!)
ナンダ……コントロー……ル、ガ…… |
!! |
うそ……だろ…… |
レリーフ……フレタモノ…… |
……ハイジョ…… |
(ザシュッ!!)
……イリ……ア……ゴメ……ン |
(ザザァッ……)
えっ……おにい、ちゃん……? |
…… |
ごめん……イリア……ごめんね |
う、ううん……待ってるから…… |
ごめん…… |
レリーフ……ハイジョ…… |
だめっ! |
あっ! イリア!? |
(バシッ)
イリア! |
渡さない! |
レリーフのかけらを手にしても、黒ネーム化していませんわ…… |
彼女も、適合者だったのですね…… |
……! |
レリーフ……フレシモノ…… |
(ドガッ!)
グ……ゥ…… |
………… |
!? |
どっちも消えちまった…… |
ふるふる…… |
すまん…… |
急いだんやけどな…… |
轟雷……それに逆影!? |
でも、収穫はありましたね…… |
(スッ)
新たなレリーフのかけらと、その適合者を見つける事ができたのですから―― |
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第三章 完
最終章へ続く…
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