PS3&Xbox 360『ASURA'S WRATH アスラズ ラース』 サイバーコネクトツー公式サイト

スタッフブログ第2話「怒の方程式」

ハイサイ!グスーヨ、チューガナビラ。
(訳:こんにちは!皆さん、お元気ですか?)

サイバーコネクトツーのうちなんちゅ(沖縄の人)

演出監督の入川慶也と申します。

ついに発売前一カ月を切り、いよいよ間近に迫ってきましたね。
プリプロダクションから関わって3年、この時を非常に心待ちにしておりました。

さて、本作での私の役割は
この「ASURA’S WRATH」という熱く滾る物語
プレイヤーの皆様にしっかりと伝える事
端的に述べますと
「プレイヤーの心をがっちりとつかんで離さない展開!」
を“作る事”でしょうか。

そのために、設定、シナリオ、絵コンテ、セリフまわし、ゲーム仕様、
それら全てに口を出し、チームの意識を合わせて
「やりたい事」「伝えたい事」を固めて行く。
そういった部分を担わせていただきました。

さて、今作「ASURA’S WRATH」は
“怒”をテーマにした「物語」だということは
ご存知でしょうか。

そう、「怒」です。

人間の四大感情“喜怒哀楽”の一つ。
その中で最も激しい感情をさらけ出すのがこの“怒”と言えます。

“怒”と聞いて皆さんはどんなものを連想するでしょうか。
歯を剥いた「激しい表情」ですか?
それとも、一心不乱に暴れまわる「激しいアクション」ですか?
では、”怒”をテーマにするにあたり
ただひたすらに「激しい表情」「激しいアクション」
することが “怒”の表現たりえるか?

答えは“否” 断じて“否”であります。

“怒”という激しい感情は、単体では成り立たないと思うのです。
“怒”とは、その前にある “喜” “哀” “楽”の感情を土台に爆発する
“感情の集合体”なのです。

たとえば、

貴方が、信じていた友に裏切られた時 ―――、何を思いますか?
貴方が、愛した妻を殺された時 ―――、何を感じますか?
貴方の、愛娘がさらわれた時 ―――、どうしますか?

 

おそらくは

信じていた友との触れあった喜びを憂い ―――、哀しみ、
愛した妻との安らぎの日々を想い ―――、哀しみ
娘の成長の記録と家族団欒の日々を想い ―――、哀しみ

 

そして“怒”るでしょう。

つまり

喜びと安らぎが大きいほど、哀しみの値も肥大します。
そしてその大きすぎる哀しみはその心を蝕み、
耐えきれない心はその捌け口を探します。
そうして吐き出されるものが“怒”です。

ですので、”怒”を表現するうえでは、
その過程を描くことも大事だと思っているわけです。

さて、本作はそういった感情の流れを大事にしながら
登場するキャラクター達に魂を注ぎこみました。
彼らが何を考え、何を想い、何を喜び、何を迷い、その結果哀しみ、
そして……“怒”るのか

ぜひ“体験”して頂ければと思います。

色々と理屈めいて書いていますが、つまるところ。

「熱く濃いドラマを詰め込んであるのでお楽しみに!!!」
ということなのです!!!

それでは次回は、アーティストの岡部 寛正が登場します。
乞うご期待!