最終章 4話「エル・シオンII」

カテゴリー: ストーリー, 最終章
「ギルティドラゴン」開発ブログ
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最優先は、未だ見つかってないレリーフのようですわね

とはいえ、手掛かりがまったくないぞ?

それであればエル・シオンがご存じなのではないかしら? ふふふ……

そうか、バランシアたちの動きを追えばいいのか?

TAOの情報網で、調べて頂きましょうか

じゃあ、またバルバルの飛空艇でひとっ飛びなのだ!

いやあ、弱りましたね!
スィルまでは大丈夫だと思いますが……

一度しっかり調整しないと今度こそ、落ちちゃいますね、ハハハ!

まぁ、試作品だししょうがないよな……

と言う訳で、どうぞお乗りください!

今度こそ落ちるって言った直後に、乗ってとか、よく言えるのだ……

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
〈争わぬ港スィル〉
~港~
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

ハハハ、ちゃんと到着しましたよ!
ほら、落ちなかったでしょう?

すっごく揺れてるから!
まだ落ちてないってだけだから!

落ちた時は、落ちた時ですわ、ふふふ……

デュエルの何倍も怖い……ぜ

なかなか味わえないスリルだな……

……コクリ

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
~「TAO」ギルドホール~
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

また無事にお会いできてよかったです
「エル・シオン」の動きは、想定以上でした

TAOでも引き続き情報を追っていますが、さっそく動きがありましたよ

早いな……

なにしろ、このスィルを経由して行きましたからね

もちろんバランシア様にもまたお会いしましたよ

「エル・シオン」への協力を要請していかれました

まぁ、考えとくよって言っといただけだがな

あらやだ、ボクちゃん元気だった~?

ボクちゃんはやめてくんな……
どうする、あのお嬢ちゃんを追うのかい?

当り前でしょ!

また黒ネームの群れが発生するかもしれませんわよ?

貴女はしばらく離れていた方が良いかと個人的には思っていますわ……

でも、同じ思いを味わったのは私だし……
これ以上、傷つかせる訳にはいかないわ!

いいねぇ、嫌いじゃないぜ……いいだろう
うちは、あんたたちに協力しよう

フッ、元々その予定でしたがね……

エル・シオンの方々は、「竜哭山」へ向かいましたよ

竜哭山か……となると「罪竜の神殿」にも向かうつもりなのか……?

狙いは明確ではありませんが、行くしかないようですわね

コクリ

 

 

バニラの事も気になるが、かりんの様子はどうなんだ?

あれからこちらには来てないので、特に症状は変わらず、ですわ

むしろ、劇的に増えた黒ネーム化した方々に今後どのような症状が起きるか……

その事が公になった時にパニックが起きないか、非常に懸念しておりますの

そう、だね……

 

 

あと、これはまだ検証中ですが……

アナフィラキシーショックは、人体だけに影響をおよぼす訳では無いようですわ

人体以外に影響……?

元々デジタル信号が引き起こす、アナフィラキシーショック……DASと呼びましょうか

特定の電子機器にも過剰な反応が見られる時が、あるようですわ

……!?

特定の電子機器が過剰な反応をするってどうなるんだ!?

人体ではマヒが起きるのと同じように、機械はただ、停止するだけですわ

かりんに起きた症状を調査している時に偶然発見しただけですので何とも……

データ不足、といったところですわね

 
◆ ◆ ◆
 

何だか、私たちが考えているよりも、もっと大ごとになってきてたりする……?

そうだな……

最悪の事態を想定して、最善の準備を備えなければいけませんわね

こくり……

 
◆ ◆ ◆
 

ん……?
だれか、居るのか……?

どうしたのよ、ワンワン
まさか……黒ネーム!?

それだったら、お前の方が先に気づきそうだけどな……

あー、そっか~……
うん、今のところ大丈夫みたい

気のせいかも……うん

 

 

……うーん……

ん?

そこだ!!

 
(ダダダッ!)
 

き、きゃああ!!

あ……イリア!?

もしかして、さっきから後をつけていた……
とか?

ご、ごめんなさい……

謝る事はないよ!
いっしょにお話ししながら行こうよ!

あ、うん……

と言っても、これから行くのはあの険しい山なんだけどな……

 

 

この山を一緒に登るのは、二度目だねぇ……

うん……前は、お兄ちゃんもいたけど……

そうそう……たしか、アロンに手を引いてもらいながら、登ってたっけ?

うん……でも、お兄ちゃんはもういないから
……ひとりで、登らなきゃ……だめ……

ひとりじゃない、でしょ……?

ひとり、じゃ……ない……ね

うん、そうだよ~!

手……つないで、いい……?

もちろんだよ、にひ~!

お、俺もいるぞ!
俺も手をつないでやるからな!

う、うん……へへ

……にこり

ダメだ……私は、こういうのは弱いって……
言ってるだろうがぁ!

 
◆ ◆ ◆
 

よう、待ってたぜ

こくり

轟雷……

あまり、驚かないみたいだな
ま、いいさ……単刀直入に言おう

お前たちのレリーフを……いや、お前たちの力をバランシアに貸してくれねぇか?

……ねぇ、サンサン

サンサンか、久しぶりだな

何でバランシアの事を「バラさん」って呼ばなくなったの?

……さあな
それ、大事な事か?

私も今のバランシアは「バラさん」って呼びにくいと思うのよね……

うまく言えないけど

つまり……交渉決裂っていう事かい?

そうかも?
ちょっと手荒になるけど、寝ぼけたサンサンを叩き起こさないと……

バランシアも目を覚まさなそうだしね!

コクッ!

 

 

ガチでやりあったのは、初めてだな……
いやぁ、なかなか効いたぜ

……

そろそろ、潮時かもな……よっこらせ

目、覚めたの?

そうだな……
俺たちは、あの子の何を見てたのやら……

「バラさん」に、戻ってもらわねぇとな
あの子も疲れるだろ……はは

じゃあな……
「罪竜の神殿」で待ってるぜ

 
(キュイイイイイイイイイイイイイイイン)
 

やはり、目的地は「罪竜の神殿」か……

そのゲートから「罪竜の神殿」がある島へ
転送されるのですわね?

そうね、なんだか久しぶりだわ!

ちょっと、怖い……

みんなで、手を繋いで行けばイイんじゃないかな……?

すぅ……はぁ……
うん、もういいよ……

よし、乗り込むぞ!

コクッ!

 
(キュイイイイイイイイイイイイイイイン)
 

 

 

ぬなっ!?

 
(ガクン!)
 

!?

な、なに……!?

どうした、バニラ!!
苦しいのか!?

お……えぇ……ヤバい、かも……

転送した場所に黒ネームの反応が突然上昇したため、強い拒絶反応が出たんですわ!

どういうことだ……
次のレリーフに触れた奴がいるのか!?

あんたら、何でここにおるん!?

それよりも、何かあったのか?
レリーフが見つかったのか?

ちゃう、レリーフを持っとったうちらの適合者が、黒いファントムにやられてん!

その後、そこに落ちたレリーフに触れた奴が黒ネームになってしもて、それで……

大勢いた同盟の仲間も次々に黒ネーム化しよってん……!

パンデミック状態デスね……

う……バランシアと、サンサンは……?

バランシアは轟雷が守ってるし!
うちは黒いファントムを追ってるんや!

 
(シュウゥ……)
 

……レリーフ……ハイジョ……!

ヤツや!
来よったで!

おい、お前が狙われてるぞ!

コクッ!

 
◆ ◆ ◆
 

……ォオオォォ……

逃げた!?

ちゃう……落っことしたレリーフや!
誰も触れないレリーフを壊しに行ったんや!

レリーフはどこだ!

こっちや!

コクッ!

 
◆ ◆ ◆
 

轟雷、落としたレリーフはどこですか!?

さあな!
黒ネーム野郎が多くて、よく分からん!!

 
(ガキッ!)
 

ヴォオオオォォ……

私はあっちを探します!
ファントムに壊される前に見つけないと……

みんなの犠牲が無駄になってしまいます!

危ないから、俺から離れるな!

平気です!
たしか、あの辺りに……

 
(キラッ)
 

あっ、あそこに二つとも……ああっ!

 
(シュウゥ……)
 

……レリーフ……ハイジョ……

やらせません!

チィッ!

 
(ガッ!)
 

さ、轟雷さん!!

二度も……バラさんを、失うわけニハ……

ウォオオオオオアッ!?

……レリーフ……フレシモノ……

ハイジョスル……!

 
(ザンッ!!)
 

テメェモ……ダッ!

 
(ザシュッ!!)
 

グゥウッ……

轟雷さん!! いやあああああああああっ!

轟雷!

!!

コ……レ……ヲォッ……!!

 
(ヒュッ)

(ヒュルル…………)

(ヒュルル…………)

(ヒュルル…………)

(パシッ!)
 

……コクッ

へへ……

 
(ボシュウッ……)
 

轟雷……この、あほォ……!

…………

 
(ボシュウッ……)
 

マスターは「罪竜のレリーフのかけら」を
新たに二つ、手に入れマシタ……

…………

 

 

すまねぇ、黒ネームを片づけてて遅れた!
みんな大丈……夫……

狼……(ふるふる)

轟雷さん……うぅ……

バランシア……
あんたがしょげて、どないすんねんな?

私のせいで……轟雷さんも……
エル・シオンに協力してくれた方々も……

せやな……みんな黒ネームになったか、あのファントムにやられてもうた……

それでも……こうなるかもしれんけど、やるって決めたから、あんたは立てたんやろ

だから、うちも轟雷もあんたを助けよぉ思て一緒に来たんよ……後悔はしてへんし、な?

……

あんたは、前のバランシアの敵討ちのつもりで、始めたかもしれへんけど……

今のバランシアも同じや、あんたが変わらんかったら、ずっとバランシアは生きとる……

そうやろ……? 

私は……変わりましたか……?

さっきまではピリピリして超コワかったんやけどなぁ……ニャハハ♪

今はあのアホが「バラさん」て呼んどったあの時と、何も変わっとらん……

 
(すっ……)
 

おかえりや、バランシア

うう……逆影さぁん……

よしよし、ええ子やな♪

 
(ぷるるる……ぷるるる……ぷるるる……)
 

なんや、もうウルサイ電話やな……
今、お取り込み中やねんけど!?

(ちょっと、バラさんは無事なの!?)

(私は大丈夫だから、絶対また遊ぼうって言っといてよね! お願いよ!!)

分かった、分かった、うるさいなぁ……
忙しいから、切るし? ほななぁ~

(ちょっ……)ブチッ!

あの、今の……

ん?
間違いやったし~、ニャハ♪

ふふ……

よかったぁ……ちゃんと帰ってきたんだね

ニコニコ

 
◆ ◆ ◆
 

あの、みなさん……言葉に出来ないほど、たくさんご迷惑をおかけしました……

ううん、ぜんぜん大丈夫!

お兄ちゃんも……帰ってくる、よね……?

そうだな、きっと何か訳があるんだろ

じゃあ、これ……あなたに、あげる……

……コクリ

レリーフのかけらか……

あの、ちょっと待って下さい……
ひとつ不思議に思っていた事が……

私たちがもっていたレリーフは、手に入れた後も、他の者が触れられませんでした……

せや、それで今日はこんなヒドイ事に……
あ、ゴメンな?

いえ……でも、あなたはこれまでのレリーフを全て触れても何も起きない……

そうか、言われてみれば……

…………

それが、この方が持つ「特別な力」に違いありませんわ

!?

あなたが手にしたレリーフであれば、もう他の方でも触れる事が出来るはずです

ええっ!?

では、私にさきほどのレリーフを貸していただけますか……?

……コクリ

 
(すっ……)
 

くっ……
あ……本当です、呪いが発動しません!

イリアさん、あなたのレリーフのかけらをこの方に渡していただけるかしら?

う、うん……

私も、お返しします……はい、どうぞ

こくり……

 
テロリロ、テロリロ、テロリロレーーン♪
 

マスターは「罪竜のレリーフのかけら」を全部で七つ、手に入れマシタ……!

七つの……レリーフのかけらを集め……ソノ資格を示しモノ……

ナビ……コ?

………………

我が「大罪」を赦免し、我を解放する者よ

最後の一片「再誕」のレリーフを授ける……

我を再誕させよ……
そして我が元へ来るのだ……

………………

…………オヤ?

!!

今の、なんだったの……?

ワタクシに、ナニか問題でも――

 
(キィイイイイイイイイイイイイイイン)

(チャリン)
 

!!

なんと……

これは……

最後のレリーフが……
ついに、出現しましたわ

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