松山洋 宣誓

みんな生きてりゃ、いいこともあれば、悪いこともある。
良かれと思ってやった行いが悪いようにとられることもある。
積み重ねた分の努力が、必ず報われるとは限らない。

“世の中は生まれながらにして、皆、平等である”

なーんて教わって育って。

物心ついた時には“そうじゃない”ことに気づかされる。
世の中は平等じゃない。そして理不尽なことだってある。

生まれながらにして飢餓に苦しむ人々が、7億5千万人
もいるこの星で。肥満で体質改善を迫られている人が、
24億人もいるこの星で。
総勢70億人もの人間がいるこの星で、我々が作品を
つくり続ける意味ってなんだろう?って常々思う。

今すぐ、世の中のためにできることって確かに“ある”と思う。
それは誰でもできる小さなこともあるし、みんな少しずつ
やったらいいと思う。自分自身も手が届く範囲でいろいろ
やっていこうと思うし、やっていきたい。

けど、それはきっとみんなで、できること。

じゃあ、クリエイターにしかできないことってなんだろう。

自分の手で“何か”できるとしたら……きっとそれは『作品』
をつくること。

人が生み出した『作品』で、自分ではない“誰か”の人生に
影響を与えること。

たぶん、直接的じゃなくっても。
遠くどこかにいる誰かにきっと届くって信じて。

私は今までもこれからも『作品』をつくり続けます。

遠いようで、思いのほか近くて。

広大なようで、存外、狭くって。

離れているようでいて、実はいつもそばにいる。

それは文化や言語や立場の違いや育った環境なんか、
簡単に吹き飛ばすスゲェパワー。

自分がつくり続ける作品が、きっとセカイにつながって
いくことを感じて、信じて。

ほんのちょっとだけ、昨日よりも幸せな気持ちになって
欲しくて。

“ひょっとしたら、僕たちは思っている以上につながっているのかもしれませんね”

監督 松山 洋

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