楽園と魔界の狭間にある地上に
人は生きている。
終末の訪れと共に天の楽園は地上に近付き、
小鳥達が少し羽ばたけば
そのまま届いてしまいそうだ。

地の底から魔界は浮上し、
世界のところどころにその貌を覗かせている。
人と神、或いは魔との距離が、
とても近づいた世界。
神と魔の力は拮抗し、光が及ばぬ夜の刻は、
魔の者達が地上を闊歩する。

時を同じくして人の中から神、
或いは魔の力を宿す子ども達が
生まれ始めた。
彼らは自らの運命を選んで
生まれてきた訳ではない。
生まれた時から、神、或いは魔の宿命を
背負わされた只の人の子なのだ。

彼の者は夜の住人。
光に背を向けし白昼の逃亡者。