“気がつかない”が成功です

皆様、こんにちは!

アニメーション担当の赤星です。
今日はキャラクターに動きをつけるお仕事の、ほんの一部をご紹介したいと思います。

一口に動きをつけると言ってもさまざまな作業がありますが、
その中でも地味に時間がかかるのが、
髪の毛や服のすそなど、体にくっついていて、なおかつ独立した動きをする部分。
サイバーコネクトツーでは、まとめて「揺れ物」と呼んでいます。

きちんと動かせば意識されないけれど、日常の中で当たり前に見ている動きだからこそ、
うまくできなければ、とたんに不自然な映像になってしまう。
揺れ物の作業は、マイナスの完成度をゼロにするようなものです。

大変だったトップ3に入るダーシャの髪!

ある程度はプログラムで自動化できるのですが、
100%思い通りの動きになることはまずありませんので、
キャラクターの動作、風や障害物などの状況、そして見栄えを考えながら
膨大なデータを手作業でチマチマと修正していきます。

揺れの範囲が制限されているデザインのキャラクターや、
揺れ物の数が多いキャラクターは特に苦労し、多くの時間を費やしました。
そう、こういう場合、何も揺れない全身タイツのようなコスチュームだととっても楽なのです。

だけどやりましたよ、髪も服も揺らして揺らして揺らしまくりました。
だって、その方がカッコイイから!

せっかくゲームみたいに表示の限界がどうのとか考えなくてもいいのに、
キャラクターがみんな全身タイツじゃつまらないじゃないですか。
想像の世界では、コスチュームの一つにもが詰まっているものですからね。

そしてそれを自然に動かすことは、画面の中の世界を
より身近に感じてもらうための手段のひとつなのです。

映画をご覧になった皆様が、揺れ物に“気づかなければ”この仕事は成功です。
そんな些細な部分に気を取られることなく、本作品を楽しんで頂ける事を、
心から願っています。

こちらも髪の揺れで苦労したキャラクター・ゴンドー

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